治療の方向性への認識

近畿中央病院皮膚科 佐藤健二先生の
成人型アトピー性皮膚炎の治療は参考になった。
自分が現段階で目指すべきは「ステロイド外用剤長期使用による副作用として治療」の第一原則から「脱保湿を行う」という第二の原則である。
「漸次中止ではまず一日一回外用へ。入浴後一時間外用を待つ。入浴後翌日まで待つ。一日置きから外用しない日を延ばす。外用面積の減少、外用量の減少。これらから中止へ。晒しなどの保湿も中止。一日中布団の中に包まるのも保湿である。」

この論文で私の目を引いたのが第三の原則である。今までに私の中になかった認識である。
つまり「血清蛋白質と電解質の濃度の管理」である。
「抗ヒスタミン剤を内服していなくても起こる原因不明の口渇がある。ステロイドあるいは保湿剤離脱開始期には、浸出液や落屑が多く血液中の蛋白質が不足する。この時に口渇が蛋白不足を増悪させる要因として働き、低蛋白血症を助長し、皮膚の治癒障害が生じる。水分摂取増加→低蛋白血症→治癒障害→漏出増加→ 痛みや倦怠による食欲低下→水性食物の摂取増加→低蛋白血症進行の悪循環がいずれを出発点としても生じてくる。従って、水分制限が必要で、体重や季節により異なるが、普通の食事の水分以外に1000ml/日程度の水分摂取とする。果物、プリンなども計算に入れる。睡眠前3時間や睡眠中の水分摂取を避ける。」

そして私の悪癖が明らかになった。
「鱗屑痂皮をはぎ取る癖をなくす」
 美容上鱗屑や痂皮が目立つのを嫌がる人が多い。また、鱗屑や痂皮を取りたくなる癖のある人が多い。完全に角化するまで角層を保存しておかないと落屑現象を繰り返す。この悪循環を避けるため、この癖をなくすよう指導する。掻破で鱗屑痂皮が取れることは問題としない。

治療の方向性への認識を確認出来た。

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