マラソンと突然死

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「マラソンと突然死の関係」
 マラソン中に起こるケガや病気の中で最も危険なものは、突然に心臓が止まってしまう状態です。
 近年のマラソンブームによるランナーの増加にともない、マラソン中の突然死も増加傾向にあります。1992年~2011年8月までの間に開催された国内のマラソン大会で、127名のランナーに心臓が止まってしまうという事故が起きており、年を追うごとに増加傾向にあります(図1)。マラソン(ランニング)はすべてのスポーツの中で突然死が発生する数が最も多いと言われています。このようにマラソンは簡単に誰もが行えるスポーツでありながら、実は危険と隣合わせのスポーツであるということを忘れてはいけません。

図1:マラソン中に心肺停止になったランナーの年次推移

「マラソン中の心停止はどの年代に多いのか?」
 では、どの年代のランナーがマラソン中に心肺停止になりやすいのでしょう。最も多い年代が40歳代、50歳代です。しかし、若いと心肺停止になりにくいかというとそうではありません。若いからといって油断してはいけなく、40歳代、50歳代で健康のためにマラソンを始めた方たちももちろん要注意です。(図2)  また、初心者のランナーだけに起こるわけではありません。フルマラソンを約3時間30分~5時間でゴールする、いわゆる「中速ランナー」と言われるランナーにも多いのです。少しトレーニングを積んで慣れてきたときは要注意です。より上のタイムを目指し過ぎて無理なペースで走らないようにしてください。

図2:マラソンランナーの年齢別心肺停止発生数

「マラソンでは、何km地点で心停止になりやすいの?」
 マラソン中に心停止の事故が起こりやすい距離は後半と言われております。実際に数字でみてみますとコースの前半での心停止の発生率は15%、コース後半の心停止の発生率は85%と明らかです。(図3)特に後半過ぎてからのペース配分に気を付けてください。またゴール直後に心肺停止になってしまうというケースも少なくありません。ゴール直前の無理なラストスパートは決してしないようにしてください。

図3:フルマラソン大会での心肺停止発生場所の割合

「心肺停止になってしまったランナーを助ける方法は?」
 まずはマラソン中に心臓突然死を起こさないようにランナー皆さん自身が健康診断を怠らないようにすることと、日頃の健康チェックや余裕の持てるペース配分で走ることができるようにトレーニングをすることが重要です。
 では、万が一目の前で心肺停止になっているランナーを発見した場合、どうしたらいいでしょう?
図4はアンケートや新聞、ニュースなどで調査した、マラソン大会中に心停止になったランナーに対して救急車が到着する前に行った処置の違いによる救命率のグラフです。
胸骨圧迫もAEDも使われない場合は救命された方はいませんでした。しかし、胸骨圧迫が行われた場合は33%のランナーが救命されました。さらに救急車が到着する前にAEDも使用された場合では85%ものランナーを救命することができたのです。

図4:心肺停止となったランナーに対する処置別の救命率
(対象 54名:平均年齢47.3±13.6歳、1990年~2010年)

心肺停止になってしまったランナーを最初に発見するのはその近くを走っているランナーの皆さんです。東京マラソンでは緊急通報から3分以内に胸骨圧迫やAEDが実施できるように多くの救護スタッフが待機しておりますが、それより前に、すぐ近くにいた方によってすぐに胸骨圧迫が行われていたかどうかが救命の大きなカギとなります。次回は2010年に新しくなった心肺蘇生法についてお話させて頂きます。
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以上、東京マラソンのページをコピペした。

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